検査前のストレスを少しでも軽くするために、大腸内視鏡検査専用の個室をご用意しています。

大腸がんは近年、日本でも、食生活の欧米化などの影響から増加傾向にあります。がんの種類別で見ても、大腸がんによる死亡数は男性で第3位、女性では第1位となっています。
しかし、大腸がんは早期発見・早期治療で完治できるケースが多いことも事実です。お尻から内視鏡を挿入する大腸内視鏡検査は、便をすべて出す前処置が大変で、検査に抵抗がある方も多いようですが、便に異常がある方は特に、大腸がんの早期発見のためにぜひ受けていただきたい検査です。

大腸内視鏡検査は
こんな方におすすめ

当院の
大腸内視鏡検査の特徴

①専用トイレ付きの個室を完備
専用トイレ付きの個室を完備

大腸内視鏡検査は、前日からの食事調整に加え、当日も朝食・昼食が取れないばかりか、洗腸液を約2リットル飲んだあとに何度もトイレに通って便をすべて出してから行う大変な検査です。
ほかの方の視線が気になる、あるいはほかの人が使ったばかりのトイレは使いたくないといった方も多くいらっしゃることから、当院では、下剤を飲むためのトイレ付き専用個室を3部屋ご用意しました。また、検査室も完全な個室で行うため、検査を受ける方が、スタッフ以外の第三者の目に触れることはありません。

②二酸化炭素でお腹の膨満感を軽減

大腸内視鏡検査では通常、腸に空気を送り込んで腸を伸ばしながら観察していきます。
これは検査の精度を上げるために必要なことですが、この空気がお腹をパンパンにして検査後の腹痛や腹部膨満感などの不快の原因になることがあります。
当院では、空気に比べてすぐに体内に吸収される二酸化炭素を腸内へ送る装置を導入し、検査後の苦痛を軽減する配慮をしています。

③痛みの少ない軸保持短縮法を採用

当院では、大腸内視鏡検査を「軸保持短縮法」という方法で行っております。従来の検査に比べ、カメラを押し込んで無理に大腸を伸ばしたりしないため、苦痛が少ないのが特徴です。それでも苦しいと感じられた方は、大腸内視鏡検査は検査中でも会話ができますので、検査の途中からでも麻酔使用に切り替えることもできます。

④ご希望により麻酔鎮静剤の
使用も可能です

通常、大腸内視鏡検査は意識がある状態で行いますが、当院ではご希望により、胃内視鏡検査と同じく、徹底した安全管理のもと、麻酔で眠っている間に大腸内視鏡検査を行うこともできます。

院長より

胃内視鏡検査のポイントは、とにかくゆっくり挿入することです。右手に意識を集中し、胃の蠕動に合わせて胃カメラを挿入すると蠕動がカメラを進めてくれることを感じます。
ゆっくり行う分、検査時間が長くなってしまうので患者さまはより苦しいのではないかと心配していましたが、「これまで受けた検査で一番楽だった」とおっしゃってくれる方が多く、この方法が間違いないと思っています。
そしてもっとも大切なことは、患者さまにリラックスしていただくことです。緊張すると喉が固くなり、カメラが通りにくくなります。これが私の内視鏡術の極意と思っています。

大腸内視鏡検査の
流れ

  • Step1

    外来受診

    外来受診

    一度外来を受診していただき、診察を受けていただいた上で検査日を決定し、検査の説明をいたします。

  • Step2

    検査前日

    検査前日

    正確な検査を行うにはお腹を空っぽにしておく必要があるため、検査前日は指定した検査食を摂ってください。就寝前には、下剤を飲んでいただきます。早めに就寝して体調を整えてください。

  • Step3

    検査当日

    検査当日

    食事、は禁止です。朝食は食べずに、指定された時間にご来院ください。水やお茶などの水分は問題ありません。また指定された常用薬は内服してください。
    専用の個室で2時間ほどかけて数回に分けて、計2リットル程度の下剤を飲んでいただきます。何度かトイレに通うと、液体のような水様便になります。

  • Step4

    検査

    検査

    お尻から内視鏡を挿入して検査を行います。検査時間は個人差がありますが、大体15分前後です。検査前に意思確認をしておくことで、検査中にポリープを発見した場合、その場で切除することも可能です。

  • Step5

    検査終了

    検査終了

    終了後は30分程度ベッドで安静にしていただきます。麻酔から覚め、意識がはっきりしてきたら検査着から着替え、身支度をします。

  • Step6

    検査結果説明

    検査結果説明

    撮影した画面をご覧いただき、検査の結果をご説明します。組織採取を行った場合には、検査結果説明は後日となることもあります。

大腸ポリープ
について

大腸ポリープの症状・原因

腸粘膜の細胞が異常増殖して発生する大腸ポリープは、痛みや違和感といったはっきりとした症状はありません。かなり大きくなってから便と擦れたときに起こる出血がもとで便潜血が陽性になり、検査を受けられる方がほとんどです。多くの場合良性の腫瘍ですが、早めに取り除いておくに越したことはありません。
大腸ポリープが発生する原因は動物性脂肪の多い食事や飲みすぎ、肥満や喫煙などの生活習慣が挙げられます。また、50歳以上の方、家族に大腸がんの既往歴のある方は、大腸ポリープになるリスクが高くなると考えられています。

大腸ポリープ切除(内視鏡治療)後の注意事項

検査によって大腸ポリープが認められ切除する場合、ポリープの大きさや形によっていくつかの術式を適切に使い分けなければなりません。当院では安全にポリープ切除を行うために、必要な細かな設定をできる高周波焼灼電源装置を導入しており、ポリープ切除後も痛みを生じることはありません。次に挙げる切除後の注意点を守っていただければ、ほとんど通常通りの日常生活が可能ですのでご安心ください。

これらの具体的なことに関しては、個々に適切なアドバイスを行っておりますので、何なりとご相談ください。

検査前日の
食事について

検査前日の食事について

大腸内視鏡検査を受ける患者さまにお願いしている検査前日の準備は、主に検査食以外は食べないこと、そして下剤の服用の2つになります。不自由さを感じられるかと思いますが、正確な検査のためにどうしても必要なことですので、ご理解の程よろしくお願いいたします。よりよい状態で検査を受けることができるよう、ご予定に合わせて無理のない日程で検査日をお選びください。

下剤の飲み方について

以前は飲みにくいといわれていた下剤(腸管洗浄剤)も、現在ではかなり飲みやすく改善されています。とはいえ、約2リットルを飲まなければなりませんので、あまり気分のいいものではないことも確かです。
当院では下剤の質にもこだわり、なるべく飲みやすい下剤をお渡しするとともに、患者さまに上手に下剤を飲んでいただけるよう、親身にフォローさせていただきます。
個人差はありますが、「思っていたよりも飲みやすかった」「ポカリスエットみたいな味でよかった」とのご感想をいただくことは珍しくありません。診察時や検査前に丁寧にご説明させていただきますので、わからないことや不安に思うことがありましたらご相談ください。

検査後の危険性

胃・大腸内視鏡検査はともに安全な検査ですが、合併症がまったくゼロというわけではありません。
大腸ポリープ切除を行う場合は、観察のみの場合と比較して検査治療時間が長くなる可能性がありますので、より注意して行うことが大切です。当院は徹底した安全・衛星管理のもと、偶発症および合併症を防ぐために細心の注意を払っており、万が一に偶発症が発生した場合は外科的処置を含めたより適切な処置をすることをお約束いたします。

よくある質問

Q 大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)は何年おきに受ければいいでしょうか?
A
当院では、検便検査は毎年、40歳になれば大腸カメラ検査を受けていただき、ポリープが見つからなければ5年に1度とお伝えしています。もちろん家族の方で大腸がん既往歴がある方や潰瘍性大腸炎の方などリスクの高い方は2年に一度、3年に一度など人によって様々です。まずは一度受診していただき、今後の検診スケジュールを一緒に立てていきましょう。
ポリープが見つからなかったから、それで安心と一概にいえるものでもありません。日々の体調変化などを踏まえ、個々にあった適切なタイミングで検査を受けられることが健康状態を維持する上で大切なことではないかと思います。最近何となく調子がおかしいと感じたら、お気軽にご相談ください。
Q 毎年検診を受けており、特に異常値がない場合は無理に検査を受けなくてもいいのでは?
A
会社検診や市の検診を定期的に受けられていることは、健康への意識が高くとても素晴らしいことだと思います。しかし、会社検診や市の検診だけでは胃や大腸の精密検査は基本的にはできないのが現状です。オプションとして定期的に胃カメラや大腸カメラを受けることを視野に入れていただき、より健康管理に努めてもらえればと願います。
もちろん定期的といっても、それぞれ体の状況は異なりますので、どれくらいの頻度が必要かを計る上でも、まずは胃や大腸の内視鏡検査を受けていただければと思います。
Q 血液検査で腫瘍マーカーが正常値なら内視鏡検査は必要ありませんか?
A
腫瘍マーカーは、血液の中にあるがんが出す物質を検証して、体の中にがんができているかどうかを予測する検査です。そのため、がん細胞ができていてもすべて検出できるわけではなく、特に胃や大腸といった消化器系のがんは早期において腫瘍マーカーで判別するのはできないといっていいでしょう。
逆に、腫瘍マーカーでわかる段階では相当進行している状態ということです。腫瘍マーカーは大切な検査の一つではありますが、胃や大腸の場合、早期に発見すればするほどがんは治癒の可能性が高くなります。手遅れになることを防ぐためにも、40代になれば一度胃・大腸内視鏡検査を受けることを強くおすすめいたします。