B型肝炎ワクチン

B型肝炎ワクチン

B型肝炎

B型肝炎はB型肝炎ウイルスが血液や体液を介して感染して起きる肝臓の病気です。
B型肝炎は、全世界で約3億5,000万人が感染していると言われ、日本では約130~150万人(およそ100人に1人)が感染していると推定されています。

B型肝炎ウイルスが感染すると、90%は自然治癒しますが、1,2%は劇症化し、その場合は生存率は約20%と非常に危険です。また10%近くが慢性化という持続感染を起こします。初期症状が少ないこともしばしばで、気がつかないうちに進行して慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がん(肝細胞癌)へと進展する可能性があります。健診では一度も肝臓の項目で引っ掛かっていないのに気づいたら肝臓がんを発症している方もしばしばいらっしゃいます。

感染経路

輸血、注射針の使い回しなどによる不適切な観血的医療行為などによる経皮的感染と、性交渉、分娩時の経粘膜感染によるものがあります。持続感染は出生時または乳幼児期の感染によって成立し、成人期初感染では、消耗性疾患、末期癌などの免疫不全状態を除けば、持続感染化することはまれです。

検査

特定健診や会社の定期検診などいわゆる健康診断では肝臓が炎症を起こしているかは検査しますが、ウイルスに感染しているかは検査していません。飲酒や肥満のせいだろうと決めつけずに一度検査を受けていただくことをお勧めします。

予防

不特定の人との性交渉は避けましょう。コンドームを正しく使用しましょう。また、不衛生な場所でのピアス、入れ墨や鍼などを避けましょう。
リスクの高い地域に渡航する場合、特に現地においてけがや、事故などで輸血や手術を受ける事態に遭遇する可能性のある場合はワクチン接種をお勧めします。

ワクチン

B型肝炎は一度発症するとかなり難渋する疾患ですが、ワクチンを接種することにより高い確率で感染を予防することができます。2016年から乳幼児の定期接種の対象となっています。
成人におけるB型肝炎ワクチン接種は、「初回・1か月後・6か月後」の3回接種(1シリーズ)が基本です。3回目接種終了後から4〜8集御にHBs抗体検査を行い、基準値以上であれば免疫獲得と判定し、追加接種は不要です。
獲得した免疫は15年間持続することが確認されていますが、しばらくして消えてしまう方もいらっしゃいます。医療従事者は毎年、その他の方も4、5年に一度は採血で確認することをお勧めしております。

費用

当院では、1回 5,500円(税込)で行っております。
*ワクチン接種に伴う手技料・診察費を含みます。
*3回接種が基本なので、合計16,500円になります。

B型肝炎ワクチンと他のワクチンとの接種間隔

B型肝炎ワクチンはウイルスの一部を取り出し感染力を失わせた「不活化ワクチン」です。
新型コロナワクチン以外の不活化ワクチン、生ワクチンとの接種間隔に制限はありません。
ただし、何らかの理由で体調不良が起きた場合、今後のワクチン計画に影響を及ぼしてしまうこともあり、当院では急ぐ場合でなければ2週間間隔を空けることをお勧めしています。

新型コロナワクチン: 新型コロナワクチンはインフルエンザワクチン以外のワクチンと同時接種は認められていません。新型コロナワクチンとインフルエンザ以外のワクチンは、お互い片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。(厚生労働省HP